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【小説】ソウル・ブレイカーズ 第7話「さようなら…」(感想は、シリカさんへ
 前回までのあらすじ
 カズサの尊い犠牲により、目的のカルト集団の本拠地を掴んだ
ソウルブレイカーズだが、カルト集団の実体は、宗教団体ではな
く武装集団だったことが判明した。無数の敵を葬り去り、闇組織
のボスを追い詰めたソウルブレイカーズ。見事、依頼を達成する
事ができるか?

         第7話「さようなら…」

「ククク、まさか、ガキ2人にわが組織が壊滅状態に追い込まれ
るとはな…夢にも思わなかったぞい」
「?!」
 赤い髪のハニュエール、シリカは、声のした方向を向く、する
と、玉座の裏から人影が現れる。それは、黒いスーツに黒いマン
ト(裏地は赤)をはおり、左眼には単眼のレンズ。髪型はオール
バックと、いかにも”私が悪の組織の親玉です”と言った格好の
初老の男性だった。

「アンタがラスボス?」
「ふん、人をRPGのボスみたいに扱うなでないぞい」
 ※RPGはバンダイの登録商標です。
「まあ、いいわ、人類滅亡計画なんてマルチ商法よりもセコイ事
は今日でお終いにすることね!今、降参すれば足腰が立たなくな
るほど殴るだけで済むわ」
「人類滅亡計画?何の事だ?…それより、おまえたちこそ、ワシ
らから奪った”G773−2”を大人しく返せば、命だけは助け
てやるぞい…ククク…命だけはな…」
「G773−2?…ジュン、アンタ、あたしの知らないところで
、また何かパクッたの?」
「ジュン知らないよん♪」
 シリカの問いに、紫髪のフォニュエール、ジュンは、さっき蹴
られた事をすっかり忘れて、幸せそうな顔でキャンディを舐めて
いる。
「…と言うわけよ、まあ、あくどい通信量で稼いだお金で購入し
たであろう貴金属は必要経費と言うことで、ありがたく寄付して
もらったけど、G77…何だっけ?…は知らないわよ!」
「貴金属もG773−2も寄付した覚えはないぞい!それに、あ
くどい通信量とは何の事ぞい!」
 頭に血管を5つほど浮かべて絶叫するラスボス。
「まあ、いい、あくまでシラを切ると言うことか…ならば死ぬぞ
い!」

パチン

 ラスボスが指を鳴らすと、床下の一部が開き、下から数人の人
物が上がってくる。白衣を着た老人。白衣を着た若い男性が2人
。筋肉隆々のプロボクサーみたいな体系をした男の4人である。
「ドクターコッペル…実験体の状態はどうだぞい?」
「はい、問題ありません」
 ドクターコッペルと呼ばれた白衣を着た老人…ではなく、白衣
を着たメガネをかけた若い男性の方が受け答えする。
「ふむ、報告では完成度80%の未完成品と聞いたが?」
「とんでもないです、チャン先生は、現状では100%の能力を
引き出すことは可能です」
「足がない様に見えるぞい?」
 確かに、筋肉隆々の男は足の変わりに、なにやら巨大なホバリ
ング装置のようなものがついている。
「足なんて飾りです、偉い人にはそれが分からないのです」
「そうか、では、そこにいるモルモットで研究の成果を示してみ
るぞい…それと、助手A…おまえ減給」
「ぐはっ、そ、そんなぁ…なぜ?」
「わしは、ここでは一番偉いぞい?無能扱いした罰ぞい」
 助手Aは両手を床について涙を流している。
「ククク、おまえ等には実験体になってもらうぞい」
 ラスボスは、シリカ達に不気味な笑みを浮かべて微笑む。
「よし、助手B、エネルギー充電じゃ!」
「イエッサー」
 ドクターコッペルの合図で、助手Bと呼ばれた、白衣を着た若
者は、ボクサーの背中から、アンビリカルケーブルを引き出して
、部屋の隅にあるコンセントに差し込む。
「ちくしょぉ!さあ、チャン先生、殺るんだ!!」
 涙を拭きながら助手Aが絶叫する…しかし、チャン先生の放っ
たパンチは、何故か助手Aに炸裂!助手Aの身体は、激しく回転
しながら、後ろにいた助手Bを巻き込み豪快に壁にメリ込む。

 しばらくあたりは静寂に包まれる。

「…ドクターコッペルよ、これは…何かの作戦なのかぞい」
 先ほど起こった出来事を、いまいち把握できていないラスボス
は重い口を開きドクターコッペルに問い掛ける。

「…仲間割れかなん?」
「う〜みゅ…状況が…と言うか、ヤツらの考えが理解できないわ
…ギャグにしては体張りすぎだし…しばらく様子を見ましょ」
 シリカにしても、向こうの作戦が把握できないため、今のうち
にHP回復をしようとバックパックからモノメイトを取り出して
食べる。ジュンも引き続きペロリンキャンディを舐め出す。


「解りました、どうやら、目標を指定しないで、ただ"やれ"と言
う命令だと、言った本人をやってしまうですじゃ、…いやはや言
葉とは難しいものですじゃ…じゃが、これで制御の仕方は解りま
した。」
 そう言って、ドクターコッペルはシリカ達を指差してチャン先
生に命令する。
「さあ、チャン先生、渾身の力をこめて…」
「…ドクターコッペルをやっちゃってください」
 ドクターコッペルが命令を言い終える前に、シリカが言葉を続
ける。チャン先生が渾身の力をこめて放ったパンチは、ドクター
コッペルに炸裂!老人の身体は、助手Aより激しく高速回転しな
がら、助手たちがめり込んでいる壁とは反対側の壁に豪快にメリ
込む。

「一流のハンターというものは、利用できるモノは何でも利用す
るのよ…さて、邪魔者は消えたし大人しくやられてくれる?」
「く、チャン先生とやら、そこの生意気なクソガキをやるぞい!

 ラスボスは、チャン先生に、指示を割り込まれないように一気
に命令する。…しかし、チャン先生はピクリとも動かなかった。
「な、何故ぞい?」
「シリカァ、外したよん♪」
 ラスボスは声のした方を慌てて振り向いた。そこには、ペロリ
ンキャンディを持ったフォニュエールが、チャン先生の動力源と
いえるアンビリカルケーブルをコンセントから外していた。
「えらいえらい」
「えへへ☆」
 拍手するシリカに、ジュンは頬を赤くしながらパタパタとシリ
カの元へ走っていく。

「まあよい、最初から、こんなモノには期待していなかったぞい

 自分で開発を任命しておき、自分で呼んだくせにあくまでも自
分勝手なことを言うラスボス。

「最後には、信じられるのは自分だけと言うことぞい!」
 と、勢いよくマントを開くと、今まで隠していた右手にはガト
リングガンが握られていた。武器屋で売られている名前だけのチ
ャチなガトリングではなく、昔、軍で使われていた回転式の銃で
火薬で実弾を撃ち出す強力なヤツだ。

「チック」
 シリカは、とっさにバックパックからセラミックタワーシール
ドを取り出そうとしたが、そのシールドは構成員1に叩きつけた
まま回収していない事を思い出す。弾道から避ける事も考えたが
、背後には幸せそうな顔でキャンディを舐めているジュンがいる

「死ぬぞい!」

バララララララララララララララララララララ

 ガトリングガンの砲身が回転して無数の実弾がシリカを襲う。

バララララララララララララララララ…キュルキュルキュル

 全弾撃ち尽くしたのか、砲身はゆっくりと回転速度が落ちてい
く。部屋中、火薬の煙が充満しており完全に視界が経たれる。
 やがて、煙が晴れると、2人の人影が薄っすらと現れる。
 大剣を杖代わりにしながら、肩で息をしているシリカと何事も
なかったかのようにキャンディを舐めつづけるジュンがいた。

「んななぁ…貴様等…何故立っている…何故生きてるぞい?…不
死身、不死身かぞい?」
 ラスボスは混乱している。シリカは深呼吸した息を整える。
「んっふっふっふ…あの程度の弾なら、ぜんぜん見切れちゃうの
よ…まあ、少しかすったけどね…」
 よく見れば、シリカの装甲服は、無数のかすり傷でほころびて
おり、その足元には無数の鉛の弾が落ちていた。
「…た、弾を全て叩き落したと言うのか?!…お、おまえ達…何
者ぞい?」

『ソウルエンジェルズ!』
 ラスボスの言葉に2人のニューマンが答える。
「そ、そうか、お、おまえ等が悪名高い、ソウルブレイカーズか
……」

ごめし

 ラスボスの顔面に壁の一部と思われる破片が2つ炸裂する。

『ソウル・エンジェルズ!!』
 再度、2人のニューマンが叫ぶ。


「さて、ラスボスも倒した事だし…これで、KDDIも終わりね

 シリカは人差し指を立て、ウインクしながらカメラ目線に誰と
もなしに話し掛ける。
「あ!、あのおじいちゃん、何か落としたよ」
 ジュンは、片手にキャンディを持ちながら、パタパタとラスボ
スが落とした紙のような”何か”を拾いに行く。
「ん?どれ、貸してみな?」
「ういういサー」
 ジュンは、今しがた拾った紙をシリカに渡す。
そこには、

 マークスマン/毛蟹++

 …ではなく

      株式会社「みかかコミュニケーションズ」
      代表取締役 ラ=スボス

 と書かれていた。…こいつ、本当にラスボスって名前だったん
だ…。

「…ねえ、」
 そう言って、シリカは、倒れているラスボスの襟首を掴むと、
自分の方へ引き寄せる。
「アンタの組織って…KDDIじゃないの?」
「うぐぐ、KDDI…そんな組織…知らんぞい」
「じゃあ、この名刺の名前は本当なの?」
「ぐぐぐ、そ、それは、表向きの会社名だぞい…」
「ふうん、じゃ、裏の名前は、D○C○M○とか言ったりするの
?」
「シリカァ…それ、伏せ字になっていないよん(汗」
 ジュンのツッコミを聞かなかった事にして、シリカの質問は続
く。それ以前に、みかかコミュニケーションズもヤバイ気がする
が…そこは、ほら、臨機応変と言うことで…。
「じゃ、組織名前はいいや…で、本当のところ何をしている組織
なの?」
「…」
「…行が無駄になるから早急に答えるように!」
 シリカは、ラスボスの首をしめる。
「うぐはっ…に、偽貴金属の売買や偽メセタ製造だぞい…」
「偽貴金属?…じゃあ、金庫の中にあった貴金属って?」
「ククク、アレは偽貴金属の試作品と偽メセタの原版ぞい…惜し
かったな、本物ではなくて…」

ぶんっ…ぐしゃ

 ラスボスの話が終わる前に、シリカはラスボスを玉座の方向に
投げた。

「ふふふ、これだけやって、お宝は毬藻だけ?…しかも、壊滅さ
せた組織って…別物…ふふふ、また、ただ働きなの…ねえ、あた
し達…また、ただ働きなの?」
 この世の終わりかと思えるほど絶望的な顔をしながら、ブツブ
ツ、独り言を呟くシリカ。
「…ふふ、ふふふふふふ」
 そして、突然含み笑いと共に、にっこりと微笑む。しかし、顔
の表情と裏腹に、何か殺気だった薄い赤いオーラのようなものが
吹き出ていて、シリカの全身を覆う。エンジェルスマイルに似て
はいるが、噴出すオーラがフェロモンではなくかなり邪悪なオー
ラのように見えるのは気のせいではない。

「んっふっふっふ…」
 そして、シリカは笑顔のままラスボスの側に歩いていく。
「クハハ、はは、ははは…」
 シリカの笑顔に引き込まれたのか、ラスボスも自分の意に反し
て笑い出す。人間、真に恐ろしいものを見たときは、恐怖や悲し
みと言う感情より、まず、笑いの感情が出るものらしい。

「さよなら〜あたしのメセタ〜♪」
 シリカは、唐突に歌いだす。笑顔で。ラスボスは、そんなシリ
カの行動を理解できないでいた。そして、笑顔で歌いながら脇を
素通りしていく。ラスボスは顔中に脂汗を流している。

「また〜ただ働きだぁ〜ずっとずっとずっと、ただ働きだ〜♪」
 今まで幸せそうな顔でキャンディを舐めていたジュンも、シリ
カの様子に気がつき、急いでリューカーテクニックを使いゲート
の中に逃げ込む。

「何もかも儲からない〜最後まで儲からない〜♪」
 シリカは、玉座をガシっと掴む

「そんな自分が脆くて、不幸で、泣きたくなるほど〜」
 玉座を掴みながら、ラスボスのほうに顔をギギギと向むける。

「…おまえが悪い」
 最後の台詞は歌でもなんでもなく、まるで地の底から聞こえて
きそうな低い声で呟く…あくまでも笑顔で…。

ブチッ…ベキバキバキブチバキベキバキベキベキ

 激しい破壊音と共に、シリカは床に固定してある玉座を引き剥
がし…総重量250kgはあるであろう玉座を高々と持ち上げる
。やはり笑顔でだ。その玉座の影に覆われながら、ラスボスは腰
を抜かしジタバタともがいていた。

「さようなら…あたしの大好きなメセタ…」

 シリカは、そのまま玉座をラスボスに向かって放り投げた。

 最後まで笑顔のままで。

 …次回へ続く
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○あとがき
作者「…さてと…次回の話どうしようかなぁ…」
シリカ「犯罪組織しちゃったもんね…」
作者「…まあ、おまえが潰したののは…別の集団だったけどな」
シリカ「うぐっ…いやねぇ、そんなのは臨機応変よ!」
作者「臨機応変って…あ、間違えちゃった♪…で潰された犯罪組
   織っていったい…」
シリカ「ま、世の中の悪がこれでまた減ったからいいじゃない」
作者「そんなもんかね?」
シリカ「そうなの!…で、今後の展開は?」
作者「うみゅ、取り敢えず応募してくださった人たちを登場させ
   るように努力する」
シリカ「…努力って…アンタ」
作者「さーて、来週のソウル・ブレイ…」
シリカ「…ブナッコォーっ!!」
作者「へまぎょ!」
シリカ「ハァハァ…それはあたしの台詞だっつうの!」
カズサ「さて、来週のソウル・ブレイカーズは…”おまたせ、噂
    の賞金首登場”・”カズサ復活”・”闇ちゃんは4年生
    ”の3本です。来週もまた見てくださいね♪」
    ※注)毎度の事ながら後の2つはネタです。
シリカ「逝ってこい!!」
闇の刃「だ・か・ら…誰が、闇ちゃんだぁ!(怒)」
カズサ「いや、台本どおりに読ん…」


作者「その夜、パイオニア2から射出された謎の物体は、ラグオ
   ルの大気摩擦により綺麗な流れ星と化したそうな。めでた
   しめでたし…なのか?」
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 読んでくれた方、おつかれさま&ありがとうございます。
 感想、苦情、指摘、質問、何でも受け付けますので。書いてい
いたけたら幸いです。