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【小説】ソウル・ブレイカーズ 第3話「赤いお笑い芸人」(感想は、シリカさんへ
●【小説】ソウル・ブレイカーズ 第3話「赤いお笑い芸人」

 コードネーム「ソウル・エンジェルズ」
 赤毛のハニュエールと大きなポンポンのついた帽子をかぶった
フォニュエールのコンビのチーム名。ハンターズの仕事の中でも
困難な仕事を請負、必ず達成するハンターズ公認のトラブルシュ
ーターである。仕事成功率は常に100%なのだが、目的のため
なら手段を選ばない行動を取るため、2人は悪気があってしたわ
けでは無いが、なぜか街が壊滅し、宇宙戦艦が墜落し、惑星をも
吹き飛ばすなどの大変な災害が巻き起こる。2人の通った後に無
事なものがない事から、形あるものは魂までも破壊すると言う意
味を込めて、彼女等を「ソウル・ブレイカーズ」と呼んだ。

        第3話「赤いお笑い芸人」

「ふう…」
 ここは、ハンターギルド本部にある大食堂。
 ハンターズに仕事を依頼するためにやってきた人々や、必要な
物資を納入するために来た業者も利用できるため、その規模はか
なり大きい。他に、もっと高級な食事や飲み物を出すレストラン
も完備されているが、大抵のハンターや依頼人、外部からの来訪
者は、安いこの食堂を利用する。調度も値段相応で、長いテーブ
ルが端から端まで占領している。
 そのテーブルの一角で、一人の少女が料理を前にため息をつい
ている。
 赤い色のサラサラのロングヘア、服も合わせるかのように赤い
服を身に付けた、年の頃は12歳位の少女にしか見えない。しか
し、この少女がハンターギルドの腕利きハンターだと言うことが
、初めてみた人には信じられないとだろう。

「どうした?”妖怪大喰らい”のオマエが食事に手もつけずに止
まっているとは、珍しいな?とうとう身体にガタがきたのか?」
 その少女の前の席に、聞き方によっては失礼極まりない言葉を
言いながら、赤いボディのヒューキャストが腰掛ける。
 ギルド本部では交代制を採っており、昼夜の別なく活動してい
るのだが、何故かこの時間帯は空いているのである。
 ヒューキャストは相変わらず大量に積み上げたモノメイトをの
せてあるトレイをテーブルの上に置く。

「あ、魔王!待ってたよん♪」
「だから、オレをその名前で呼ぶな、今のオレはカズサだ」
「それ言ったら、あたしの名前は”妖怪大喰らい”じゃなくシリ
カ!…アンタの記憶回路、ぶち壊れてるんじゃないの?一度、人
格形成ルーチンを再インストールしてもらった方がいいんじゃな
い?」
「…その言葉、そっくりオマエに返上してやろう」
 カズサと名乗った赤いボディのヒューキャストは、モノメイト
の袋を開けて、一口食べだした。
 シリカと名乗った少女も、今まで手つかずだった料理「石焼ビ
ビンバ」にスプーンを立てる。かなりの時間置いてあったにもか
かわらず。一向に冷めた形跡を見せず、今だじりじりと音をあげ
て湯気を放っている。
 じりじりと焼けた油が熱い石鍋に野菜とご飯をのせてコチュジ
ャン(唐辛子味噌)を入れ、何回も混ぜて食べるのが特徴の石焼ビ
ビンバは、この食堂でも人気のメニューの一つである。石焼ビビ
ンバは普通のビビンバに比べて使う材料が豊富で高級感もある上
、石鍋を使って調理するので味もまた格別に上がる。そもそもビ
ビンバとは残りご飯にナムルとコチュジャン、ごま油などを混ぜ
てちょっと小腹が空いたときに食べる手軽な料理のことを言う。
そのビビンバを少し高級にしていろいろな味を楽しめるようにし
たのが石焼ビビンバの始まりだとか。昔はユッケ以外には何も入
れなかったそうだが、現在は新鮮な野菜や味付けしたナムル、炒
めたお肉などをのせて食べるのが主流になっている。石焼ビビン
バを正統な方法で作るお店では、今でも肉汁でご飯を炊くそうだ
、そうすることで、ご飯が香ばしくなって一層、その味が引き立
つんそうだ。ワンポイントとして石焼ビビンバを美味しく食べる
方法は、熱い石焼ビビンバはお塩だけでさっぱりと味付けした熱
いもやしスープといっしょに食べると良いらしい。…と、シリカ
の相棒のフォニュエールが力説していたのを思い出す。

 シリカは、石焼ビビンバをかきまぜはじめる。その石鍋の脇に
は空になった石鍋が5つほど積んであったりする。
「で、何か用件があったのではないのか?」
「うみゅ、実はね……あの依頼の件…捜査に行き詰まっちゃって
さ」
 シリカは、石焼ビビンバをかきまぜながら答える。上にのって
いる生たまごをつぶして、底からひたすらかきまぜる。湯気がシ
ューッと吹き出る。たまごがご飯のおこげと重なり、更に美味さ
を増す。
「ふっ、らしくないな…」
 と言ってカズサはいきなり立ち上がり。
「世の中のトラブルはレッド・エンジェルのシリカに任せなさ
いって!…」
 と、前にシリカがやったようにカメラ目線にウインク(のつも
り)をする。
 ”世の中のトラブルは〜”の声のトーンが大きかったため、周
りの人は何事かと見るが、シリカとカズサの姿をみて納得したか
のように所定の位置に戻る。
「…と豪語していたのではないか?」
 カズサも何事もなかったかのように席につく。
「…アンタ…やっぱりどこか壊れてるんじゃないの?悪い事言わ
ないから大人しくユメノシマで永眠でもしたら?」
 程よくかきまぜ、食べごろになった石焼ビビンバをスプーンで
すくいながら、ジト目で赤いヒューキャストを見る。
 ユメノシマとは、パイオニア2最下層区にあるゴミ処分場を通
称ユメノシマの事である。このロマンチックな名前を持つゴミ処
理場は、リサイクルできなくなり廃棄しか選択権のないゴミを保
管しておく場所だ。資源が限られている宇宙船などでは、リサイ
クルする事を前提に物資を製造するのだが、最終的にリサイクル
が不可能になった資源に関しては廃棄処分することになる。
「…その言葉、そっくりオマエに返上してやろう」
 人間で例えるのなら、恥ずかしさのあまり顔が赤くなり汗だく
になるような場面だが、あいにく、カズサにはそのような機能は
ない。そして、何事もなかったように、カズサは、3個目のモノ
メイトの袋を開けて食べる。
「ま、いいわ…アンタがおかしいのは今始まった訳じゃないしね

 シリカは、じりじり音がしている石焼ビビンバをよく冷ましな
がら一口ほおばる。そして、
「…実はね、昨日捕まえた男なんだけど…結局何の情報も喋らな
いのよ」
 と、付け加える。昨日捕まえた男とは、先日卸売市場で捕まえ
た(のか?)男のことで、シリカが調査しているカルト集団の一
味だったのである。ちなみに、男は白状しないのではなく出来な
いのだ。
「確か、その男は全身火傷を負い、今は意識不明の重体だとか」
 と、カズサは4個目のモノメイトの袋を開けて食べる。
「そうなのよ、まあ、そいつが直撃を喰らったおかげで、巻き込
まれたあたしや他の市民は奇跡的にかすり傷で済んだんだけど…
おかげで捜査はふりだしに戻ったわ」
 シリカは、石焼ビビンバに怒りをぶつけるが如く再び荒々しく
かきまぜる。
「で、器物破損と業務上過失致死の疑いのある容疑者はどうした
?ここにはいないようだが…とうとう逮捕でもされたか?」
 物騒な事を言いながら、カズサがあたりを見回す。
「逮捕されたんなら、パイオニア2も平和になるかも知れないけ
ど残念ながら、いつのもアレ!」
「ふむ、アレか…」
 シリカはスプーンであさっての方向を指す。カズサも”アレ”
の意味を知っているらしくうなずく。ちなみに、シリカの相棒が
逮捕されたくらいでは平和にはならない。もう一人の赤い暴走列
車も逮捕しなくては真の平和は訪れない。
「ここのメニューは全て制覇したから新規開拓するよん♪…って
…えと、確か今日は、アキハバラに行くとか…」
「アキハバラ??…あんな所に何のようだ?アンドロイドのパー
ツを買いに行く…と言うわけではないだろう」
「うーん、アキハバラに何だか美味しいラーメン屋があるとか言
ってたわ…確か…”じょんがらラーメン”とか…」
「なるほどな」
 と、カズサは6個目のモノメイトの袋を開けて食べる。シリカ
も石焼ビビンバを半分食べ終わり、今はスープで一息入れている
。ちなみに、シリカ達の言うアレとは、器物破損と業務上過失致
死の疑いのある容疑者のフォニュエールの趣味の1つ”パイオニ
ア2全地区食べ歩き”の事をさしている。2年前の何の支援もな
くラグオルの衛星軌道上に待機していた頃と違い、ラグオルから
の物資調達やパイオニア3のとの交流で食料規制が解除されたか
今だから行える趣味と言えよう。
「そだ!」
 シリカは、スプーンをくわえながら、カズサのほうへ身をのり
出す。
「そいえばさ!アンタ前に”調査していくうちに、アンドロイド
のオレ達にはそんなに深刻な問題ではない”って言ってたわよね
?…と言うことは、そのカルト集団の計画の概要知ってるのよね
?よかったら、白状してみない?」
「…この場合、白状と言う単語はふさわしくないぞ…それに…情
報を得るにはそれなりの代償が必要なのは、オマエもハンターズ
の端くれなら解っているだろう?」
 物を得るにはそれなりの代償が必要。give and takeの精神は
、いつの時代も変わらない。たまに善意で只で渡すことハンター
もいるが、与えられた者、それを見ていた者の中には、勘違いし
て、言えば只で貰えると思い込んでしまう通称「クレクレ君」な
る存在を生み出す結果となる。
「んじゃさ、寄生防具「デ・ロル」とエンジェル/TPとゴッド
/マインド++で手を打たない?」
 寄生防具「デ・ロル」とは、生身の身体に寄生してHPを吸収
する代わりに高い防御力を誇る鎧だがアンドロイドは装備不可。
エンジェル/TPとは、鎧のスロットに装着するとTP上限が増
える。ゴッド/マインド++も同様で…スロットに装着すると精
神力が増える。
「…では、オレはそのお礼に、Dパーツとエルフ/生卵とデビル
/トウバンジャン++を返せばいいのか?」
 Dパーツとは、アンドロイド専用の追加装甲で人間、ニューマ
ンは装備できない。エルフ/生卵とデビル/トウバンジャン++
に関しては…詳細不明。
「んなもん、いらんわぁぁぁぁぁーっ!」

どめしゃ

 シリカは持っていたスプーンでカズサの頭をたたく。シリカの
力とカズサの石頭に耐えられなかったステンレス製のスプーンは
柄のところからぽっきりと折れる。しかし、たたかれたカズサは
たいしたダメージもないのか淡々と話し出す。
「では聞くが、オマエが挙げたアイテムはアンドロイドには装備
できない物だと分かって言っているのか?だとすると前にオレに
渡したトラップサーチも知ってて渡したと言う事になるが…」
「さ〜て、何のことかなぁ?」
 シリカは両手を後ろ頭に当てて目をそらす。
「まあいい、オマエのその性格は今始まったわけではないしな」
 先ほどシリカの言った台詞と同じような事をいい、カズサは自
分のアイテムボックスからレポート用紙を取り出した。


 自分を! 幸せいっぱいの家庭を! ついでに人々を!!救う
ことができるのか!?
 邪魔するものは全て破壊せよ!紅い破壊者シリカ!!
 クールなヤツじゃなかったのか?赤いお笑い芸人カズサ!
 周りの人はあきれているぞ!
 …次回へ続く(のか?)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○あとがき
作者「さて、今回少し長くなりましたが、いかがだったでしょう
   か?」
シリカ「あれ?アンタ死んだんじゃなかったの?」
作者「勝手に殺すなぁ!…って優香(死語)、生死を彷徨ったぞ
   、マジで…」
シリカ「チッ」
作者「何だ、そのチッってのは、そんな娘に育てた覚えはありま
   せんよ!」
シリカ「あたしも、アンタに育てられた覚えはないよ〜だ」
作者「……………………………………………………………………
   …………………………………………………………チビ…」

ギュィィィン!ザシュッ
↑電動鋸剣が放つモーター回転音の後に、何かを斬った音。

ジュン「掃除完了♪」
シリカ「さーて、来週のソウル・ブレイカーズは…”なぜだ?!
    カズサがスクラップに!”・”エルフ/生卵の正体は?
    ”・”破壊抻ジュン、降臨”の3本です。来週もまた見
    てくださいね〜」※注)ネタです。
カズサ「…おい、コレ、病院に持っていかなくていいのか?」

   平和なBGMと共に画面はブラックアウトしていく
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 読んでくれた方、おつかれさま&ありがとうございます。
 感想、苦情、指摘、質問、何でも受け付けますので。書いてい
いたけたら幸いです。